1980年、「オースチン・ミニ・メトロ」の販売が失敗に終わると、Miniに絶滅の危機が迫っているという噂が聞かれるようになりました。 1981年にはニュージーランドで、「Goodbye Pork Pie」(監督:ジェフ・マーフィー) というロードムービーにMiniが出演したりするなど、メディアへの登場もありましたが、この頃には自動車輸出市場におけるMiniの人気は低下し始めていました。
また、人気の低迷を裏付けるように、南アフリカやオーストラリア、ニュージーランドでの生産はこの頃までに全て中止となり、ニュージーランドではMiniに当てていた組み立て生産ラインを、当時人気が出ていたホンダ・シティの生産に切り替えるなどの動きが見られるようになりました。
1980年代を通じては、英国市場では多くのMiniのスペシャル・エディションが発売されましたが、これによってMiniは大衆車という位置づけから、ファッショナブルなアイテムへと、その役割を変えていきました。
現在、MiniはBMW社の所有ブランドとなっていますが、BMC社の残りの部門がローバーグループとしてまとめて売却されたのは、Miniが持つこのブランド力や位置づけのためであるとも言えます。
Miniは日本でも非常に人気のある車ですが、日本でのMiniには「レトロ」や「クラッシック」、または「アナログ」、「ファッション」などの意味合いが含まれることが多く、日本の自動車メーカーからもMiniのデザインに似た傾向の車が発表されていますが、これらはMiniの持つイメージと全く無関係ではないと思えます。