[BMW miniの歴史(1959〜1970)2]:BMW miniについて

BMW miniの歴史(1959〜1970)2

 その後のクーパーモデルについては、1964年に997ccのエンジンをよりストロークの短い998ccのモデルに変更するなど改良が行われ、これ以降、1967年にその生産が終了するまで総計12,274台のクーパーモデルが販売されました。

 そして、1963年になると、より性能が強化されたミニ・クーパーSモデルの開発・出荷が相次いで行われました。

 クーパーSについては、1071ccのエンジンとより大型のディスクブレーキを大きな特徴とし、1964年8月のモデルチェンジまでに計4,030台が生産、販売されました。

 また、クーパーはサーキットレーシングにより特化した970ccと1275ccの2つのモデルを新たに開発しましたが、970ccモデルの売行きは伸びず、963台が生産された後1965年に生産終了となりました。

 1275ccのクーパーSモデルについては、40,000台以上が生産されましたが、このモデルも1971年には生産終了となりました。

 設計者のイシゴニスは、1967年から1970年までの間、実験モデルとして、「9X」と呼ばれるMiniの代替モデルを設計していました。

 このモデルは、Miniよりコンパクト性とパワー(馬力)の面で優れていましたが、BMCとスタンダード・トライアンフ社の合併により設立されたブリティッシュ・レイランド社の社内政治によって、実際に生産されることはありませんでした。

 ただ、このモデルについては先進的で技術的にも優れた点が多かったため、現実に生産、販売されていることがあれば、少なくとも1980年代までは他社との競争に勝てていたかもしれないとの多くの声があるようです。