[BMW miniの歴史(1959〜1970)3]:BMW miniについて

BMW miniの歴史(1959〜1970)3

 その後、1967年になると、ボディがMkIIと呼ばれるタイプに変更された後、998ccと1275ccの両モデルが生産されましたが、998ccモデルは55000台以上が販売された後、1969年に生産終了となりました。

 1275ccモデルについては、1969年から1970年にかけて少量の改良を施されたMkIIIボディを採用した後、1972年1月まで販売されましたが、クーパー社は事業モデルを「輸出モデル向けの改造キットの開発と販売」に転換した後に、さらに1975年まで販売を続けました。

 初期の頃のMiniのエンジンは、全車種で伝統的な4気筒水冷エンジンを採用していましたが、エンジンを横置きにしてギアボックスをエンジン下部のオイルパン内部に置き、エンジンオイルで潤滑させる構造を取り入れるようになりました。

 これらの工夫により、前輪駆動が可能となりましたが、これらは当時において先進的な技術革新でしたが、その恩恵は大きく、このエンジン設計によってコンパクト性が高められた結果、乗員スペースを前方に広げることができ、小さな車体面積にもかかわらずゆったりとした車内空間を確保することに成功しました。

 1970年代以降に生産されたほとんど全ての小型FF車の設計モデルにはこのモデルが使用される結果となりましたが、同時に生産効率化の向上も試みられ、その一端がMiniの外装の風変わりな溶接の継ぎ目に見てとれます。